クリスマスが近づくと恋人探しが盛んになります。
そのため１２月に入ると恋活や婚活パーティーなどのイベントが増えたり、出会い系サイトへ登録する人が多くなります。
普段は彼氏や彼女が欲しくないと思っている人であっても、クリスマスになると状況が変わってきます。
なぜなら、
日本では恋人たちのイベントという意味合いが強くなっているからです。
それに対して、アメリカなどでは教会に行ってクリスマス・ミサに出席して、その後、家に帰ってから家族や親戚が集まって盛大に祝うものです。
つまり、日本とは全く違うということです。
もともと日本にクリスマスという文化が入ってきたのはキリスト教の伝来の時でしたが、幕府による鎖国やキリシタンの弾圧などにより、あまり広まりませんでした。
一般的に日本でクリスマスを祝うようになったのは文明開化の明治時代以降です。サンタクロースが子供たちにプレゼントを持ってくる日ということで、どちらかと言うと、子供たちのイベントという色が濃かったのです。
しかし、その後、昭和の後半になると、恋人とクリスマスを結びつけるJポップがヒットしたり、恋人向けのクリスマスプレゼントが販売されるようになり、カップルで過ごすという風潮が出始めるようになりました。
また、クリスマスにカップル限定のサービスを行う飲食店やホテルなども登場し、日本では恋人たちのイベントという色合いが強くなったのです。
そのためクリスマスに一人で過ごすのは、寂しいだけでなく、「恥ずかしい」「虚しい」と感じる人が増え、シーズンが近づくと恋人探しが盛んに行われるようになったのです。
日本のクリスマスは恋人と過ごすイベントに！
いつもシングルでいることに特別不満を感じていない人でも恋人探しをしたくなる時期があります。それはクリスマス前です！
欧米ではクリスマスは家族と共に過ごす日として定着していますが、宗教的な意味合いが少ない日本では、クリスマスといえば恋人たちが一緒に過ごすイベントとして定着しています。
人気のクリスマスソングの歌詞をみても、クリスマスやサンタクロースだけでなく、「恋人」という単語が登場したり、一連のキーワードになっています。また、ラブソングのような歌も多いですね。
そのため、なぜか家族と過ごしても寂しく感じてしまうのが日本のクリスマスなのです。そこでクリスマス前になると、駆け込み需要のように恋人探しをする人が増えてきます。
もちろん、この恋人が欲しいシーズンはクリスマス前だけで終わりません。なぜならクリスマスが終われば年末年始、バレンタイン、ホワイトデーと恋人たちのイベントが目白押しだからです。
ちょうど寒さの厳しい季節に突入するあたりですから、やはり人肌が恋しくなるというのも理由の一つです。寒い街中で一人でいると、なぜか寂しい気持ちになってしまうものです。そのため恋の相手を見つけて心を温めようと思うのです。
特に美しくて光り輝くクリスマスイルミネーションを２人で鑑賞すると最高の幸せを実感できるのです。
このような理由で、「恋人たちのイベントを楽しもう！」「このシーズンを充実させよう！」と考えるのであれば、やはり１２月初め頃にはどうしても恋人が欲しくなってしまうのです。これは男性も女性も同じことです。
「同性の友人たちと過ごしていれば楽しい！」という気持ちが薄れてきた人は、ある意味で大人として成熟したということなのかもしれません。
カップルの祭典になった経緯について
さて、クリスマスはどのように日本に広まったのでしょう？イエス・キリストの誕生日を祝う行事であることは皆さんご存知だと思います。
そもそもクリスマスは、ナバラ王国（現在はスペイン）のフランシスコ・ザビエルによって１５４９年にキリスト教とともに伝えられました。
しかし、江戸時代になるとキリスト教が禁止されるようになりましたので、広まることはなく、長崎のオランダ人でさえも、クリスマスを祝うことが難しかったのです。
そして明治時代以降になるとクリスマスは日本文化として徐々に浸透するようになりました。それは西洋文化への憧れや日本の国際化のためだったと言われています。明治・大正にはサンタが子供たちにプレゼントを贈る日として定着し、クリスマス商戦も盛んになりました。
戦後は一般家庭でもケーキ、シャンパン、フライドチキンなどを用意して家族で祝うことが多くなりました。
では家族で祝っていたクリスマスが恋人同士で過ごす、「カップルの祭典」になったのは何故でしょう？
それは日本のＪポップの影響があると言われています。まず、１９８０年に発売された松任谷由美の１０枚目のシングル「恋人はサンタクロース」がきっかけとなり、その後１９８８年に発売された山下達郎の１２枚目のシングル「クリスマスイブ」が大きな影響を与えました。
これらの曲が大ヒットしたことにより、日本の若者はクリスマスをカップルで過ごしたいと思うようになったのです。
また、それに拍車をかけてレストランやホテルなどのサービス業を行っている企業が恋人向けのクリスマス限定のイベントを企画したり、デパートなどでも恋人用のクリスマスプレゼントなどを販売するようになったため、完全に彼氏や彼女と過ごす日として定着してしまったのです。
そのためクリスマスなのに一緒に過ごす恋人がいないことを恥ずかしいと感じるようになり、無理矢理恋人探しをする人も増えているのです。
そのため別の文化が流行すれば、多くの日本人は違う過ごし方をするようになるかもしれませんが、今のところはカップルの祭典となっています。
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